とんでも小説の概要ーextra・2ー

ー記事引用ー

ちょっと脇道に逸れますが、実はこの『皇太子妃拉致事件』に登場する閔妃(明成皇后(諡号))は、現在の韓国においては、史実に全く反する形で極端に美化されてしまっています。

実際の閔妃は、開明派や国王の父親(大院君)の一派と対立し、権力闘争に明け暮れ、李氏朝鮮の改革を潰したという、韓国人から見てもおよそ尊敬に値しない人物です。

閔妃は一族の繁栄のため、両班(身分階級の最上位に位置していた貴族階級)の特権回復に勤しみ、対立する人々を追放あるいは処刑し、次々と一族の人間を要職に就けました。

また、息子を世継ぎとするために莫大な資金を国庫から費やし、何と国庫の6倍以上に相当する金額を金剛山の寺院に布施したという、とんでもない浪費家でもありました。

こんな女性ですからもちろん朝鮮民衆の評判も悪かったのですが、それが今や韓国では国母としてもてはやされているのです。

閔妃が美化されることになったきっかけは、1995年に韓国で初演されたミュージカル「明成皇后」という舞台でした。
比較的最近のことなのです。

さらに、このミュージカルに刺激を受けた韓国放送公社(KBS)が、2001年から02年にドラマ「明成皇后」を放映。

ドラマの担当プロデューサーは「(朝鮮の改革を潰し民衆を苦しめたという)従来の明成皇后(閔妃)のイメージは日本側によって作られたもので、そうした植民地史観から離れた明成皇后像を描き出すことが大きな狙いだった」と述べています。

以上のことは朝日新聞(魚拓)でも紹介されています。

ドラマ「明成皇后」は大ヒットしました。
2001年末に韓国を代表する声楽家の・秀美(チョ・スミ)が参加した「明成皇后」のサウンドトラックが発売されると、ブームは最高潮に達し、閔妃=国母というイメージが、韓国人の中で完全に定着しました。

ー引用ここまでー